2011年4月13日水曜日
すべては手元に
”音楽も文学も、創作や鑑賞の環境がどんどん便利になっています。手元のボタンひとつで『一級品』と呼ばれるものが手に入る。すると人間はこれを読まなきゃおられないといった衝動的な感覚が薄れてゆくことになります。せめてそうありたくないと思うなら、例えば紙と鉛筆とがあるならそこに何か、自分の手を使って『あいうえお』でもいいから書いてみる。その『あいうえお』は確かに残ります。手を動かして詩をつくる。歌ってみる。そういう根底を失わずにおれば、なんとかなるよってことは言えるでしょう。” 吉本隆明 (3月27日朝日新聞より抜粋)
2011年3月20日日曜日
たずねて
昨日午後に、ウィンドチャイムブックスを主宰されている永井宏(ナガイヒロシ)氏を訪ねました。 ArtBookFairへむけたご相談のために、とつぜん訪問したにも関わらず、あたたかく迎えていただきました。 永井氏の様々な活動の一端を教えていただくとともに、個々の活動を文化として根付かせてゆくことへの想いを強く感じました。街という単位のなかで“顔のみえる活動”の必要性についても然り。 同席いただきました小栗様と写真家の大杜様、ありがとうございました。お話とともに、コーヒーと素敵なバンジョーの演奏までいただきまして、ほんとうにご馳走様でした。
2011年3月18日金曜日
ひとり
おしよせる悲しみと、不穏な時が刻々と交差するなか、いったい私達は何処に心の拠り所を探したらよいのでしょう。 あの日からすでに一週間がたちます。 まるでいっぺんに空からとても大きな塊が降ってきたかのような、どう受け止めてよいのかわからない気持ちが続きます。 そんなとき、手元に一枚の白い葉書が届きました。 その葉書には “たいへんな災害ですが、それぞれ出来ることを真摯にやってゆきましょう。”という一文とともに、雪を纏う札幌モエレ沼公園(イサムノグチ作)の緩やかな丘の写真が添えられていました。 自然に対峙したときにいやおうなしに揺らぐ“ひとり”という存在。 でも、そのひとりがいま目の前にあることを真摯に取り組み、動いてゆくこと。そして、動きながら自らが考えてゆくことこそが、あの日からいつか辿りつくであろう其処への歩みになるのかもしれません。 岡田満さま、お葉書をありがとうございました。
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